旧予定調和共和国 (長野 郁のブログ01―日々是翻訳―)

私こと翻訳者・長野 郁 の日常生活を綴った日記ブログです。仕事の翻訳や、趣味のアニメ、鉄道、カメラなどについて気ままに語ります。なお、タイトルの「予定調和共和国」には、私の、色々な問題やトラブルが予定調和ででもあるかのように丸く収まればいいのになぁ、という願望が込められています。

論説

「嫌儲」ナル語についてのちょっとした1アイデア

以前から考えていたことがある。「嫌儲」という言葉のことだ。

「嫌儲と情弱」“ネットに住む人達”

「嫌儲」とは、例えばここで述べられているように、「ネットで儲ける奴は許さないという考え方」の事を指すという。そして、当の「嫌儲民」自身の自覚的な歴史認識の中では、そのような観念は、特に2chのレスを勝手に「搾取」して自分のマネタイズにつなげる「アフィリエイト系ブログ」の台頭に対しての応答として生じたものである、と認識されているようだ。以下にそれが見て取れる。

誤解されている「嫌儲」とは

まぁ、今、広くWebの世界で「嫌儲」といった場合、その上でもこの語を扱う論者の立ち位置次第で、上に観たように「儲」を「嫌」がることについて「どう価値判断して観るのか」という点では、外在的に観る場合と「嫌儲民」自身の内部からの視点では温度差はある、と云うワケだ。



ただ、私自身は、個人的にこの「嫌儲」なる言葉の「語感」は、もっと面白い含意を持ちうるんじゃないかと前々から思っていて、この「儲けるのを嫌がる」ナル意味内容が「嫌儲」というリテラルな字面に与えられている事態はちょっと勿体ないかな、と思ってきたってのはあるんですよ…。具体的には「嫌儲」の語に対して、「『嫌なコト(人から嫌がられるようなコト)』を言ったり実行したりして『儲ける(マネタイズする)』コト」と言った含意を与えたら面白そうだ、というアイデアを、以前からずっと持っていたんですねー…。

こういう考えを持ったのは、(所謂「伊藤バカ君事件」を一つの契機として)一般の素人層オタクから次第に距離を置かれて嫌われるようになって行った当時のオタク系文化のオピニオンリーダーの一人であった唐沢俊一氏が、既に固有のスタンスで出版界内に立っていた村崎百郎氏に接近して下にリンクを貼ってあるこの書籍の発刊に至った際に、多分氏の心裏には上述の意味での「嫌儲」のような基本的なコンセプトが明確に在ったのだろう、と私は推察していて、それはそれで一つ明快に筋の通った立場ではある、と好意的に評価しているからだ。 要は「(オタクを初めとする)想定対象読者へ当の著作が嫌悪感を引き起こすことによってこそ当該書籍が売れる筈」、という明快な戦略があるワケですね…。 

まぁ、語の意味・用法・運用なんてモノは、現にその言葉が流通する現場にいる多くの人たちの暗黙の共有された合意によって決定されまた変化して行く物であるのは当然のコトなので、今ここで私が「『嫌儲』=「『嫌なコト』を言ったり実行したりして『儲ける』コト」なる新奇な概念をブチ上げたトコロで、それで直ちに広く人口に膾炙するワケでも何でもないですが、個人的に以前からそういうことは考えていたので、今日はちょっと今そのアイデアを、ここでWeb上に現に投げ込んでみようカナ?、というような気紛れを起こしてみた、と云う事です…。

攻撃性の上手な運用についての小考察

攻撃性の上手な運用についての小考察。

先日、アニメ関連の著述で高名な氷川竜介氏が、Facebookで「多くの相手を敵認定してぶっ飛ばすより、味方を増やしてゆく戦略論で振る舞いたい」という意味のことを述べられており、なかなかに感銘を受けた。ただ、これが自らの影響力を増し、ひいては世界を動かしてゆく為の唯一の戦略論であるかというと、しかし、そういうコトではない筈だ。典型的なのは、氷川氏と並び称されるに値すると個人的には考えている、これまたアニメ関係では高名な著述家・小川びい氏の戦略論である。氏はむしろ、積極的に多くの相手を敵認定して、まさに「ぶっ飛ばす」ことで影響力を増して来た人物である。この氷川、小川両氏の戦略性の差異は、恐らく主にその元来の資質の差に依るものなのだろうと思う。他人との友好や相互肯定を重視するのか、否定や断罪から入るのかという性格傾向の差異である。ただ、ここで重要なのは、小川氏と謂えども、無差別に誰彼構わず喧嘩を売っていたわけではないと云うコトだ。自分にプラスの評価を与え、その立場の定位を行ってくれるような相手には決して噛み付かないという分別があったからこそ、現在の小川氏の高く評価された立場がある。叩くのは、自分の損得とは直接関係なく、しかも多くの人から見て公然と間違っていたり程度が低かったりする相手に限定されて来たというワケだ。こうした世間の「悪者」や「邪魔者」を積極的に叩いて行けば、「悪いものを叩く」と云うコトから本人は「善玉」認定されるという結果が得られ、その結果、本人の評価は加速度的に高まってゆくという戦略論である。要するに何が言いたいのかというと、成功のカギは、友好性やその背後にある自己肯定性だけではないと云うコトだ。排他性や攻撃性、悪意といったものも、上手に運用すれば、世の中で成功して行く為の絶好の資質となり得るというのは事実である。最近個人的には、友好性、善意、自己肯定ナドが社会的成功の必須の要件であるかのようにしばしば喧伝されていると感じて違和感を持っていたので、そうではない資質の持ち主にも成功の芽はあるモノだ、というコトに少々注意を喚起したくて、このような稿を記した次第である。

「決定版 感じない男」について

「決定版 感じない男」について。

ちなみに、私がスカートや萌えとオタクの関係について、文庫本「決定版 感じない男」を叩き台として論じた小論はこちら。

「決定版 感じない男」 森岡正博 ちくま文庫 2013年


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